子どもによる医薬品の誤飲に注意!
・子どもの誤飲について
子どもは成長による運動機能の発達とともに、いろいろなことが出来るようになります。その一方で、予期しない事故にあう恐れも高まり、中でも医薬品等の誤飲は重大な症状を引き起こす恐れがあります。2018年度の厚生労働省のモニター報告では、誤飲事故の内、たばこが20.8%、医薬品・医薬部外品が17.4%と原因の多くを占めています。生後6カ月から1歳半頃までは身近にあるものを何でも口に運ぶので、たばこによる誤飲事故が多数見受けられます。また、それ以降の年齢になると兄弟姉妹や家族が薬を飲むのを模倣したり、興味を持って薬を飲んだりすることによる誤飲を起こすようになります。子どもの好奇心・行動力は、大人の想像をはるかに超えています。
- 子どもの医薬品の誤飲について
シロップなど、幼児が飲みやすい味に作られている医薬品は、幼児が美味しいものと認識して、冷蔵庫から自ら取り出して飲んでしまう事例も見られます。また最近では、甘みのついた口腔内崩壊錠を大量に誤飲した例も報告されています。一方、子どもによる大人用の医薬品の誤飲は更に多く発生しています。大人にとっては問題ない量であっても子どもにとっては過量投与となり、向精神薬、気管支拡張薬、糖尿病治療薬、血圧降下剤の誤飲では重い中毒症状が報告されているので管理に注意が必要です。
- 製薬企業の乳幼児誤飲防止包装について
最近では、欧米のCR/SF(Child Resistant & Senior Friendly:乳幼児には容易に開けられないが高齢者には取り出せること)に関する規格に基づいて設計されているものがあります。
しかしながら、薬剤の取り出しにくさによる服薬アドヒアランス(遵守)低下への懸念や製造に係る費用負担の関係でCR/SFの導入は一部の製剤に限られています。
- 子どもの医薬品の誤飲を防ぐためには
1.大人が薬を飲むときは出来るだけ子どもの見ていないところで飲む(子供はすぐ大人のマネをしたがる)。
2.薬は子どもの手の届かない、見えないところにかたづける。
3.薬を安直にお菓子箱等に保管せず、薬専用の保管場所でしっかりと蓋を閉める(乳幼児に取り出しにくい機能がついていると更に良い)。
4.甘い味がついていてもジュースやお菓子と違うことを子どもに理解させることも大切
5.同居している高齢者(おじいちゃん、おばあちゃん)等の薬についても注意する
- それでも誤飲してしまったら
なるべく早く近隣の小児科、相談機関に連絡
こども医療電話相談:#8000(全国同一の短縮番号でお住いの都道府県に自動転送)
・・・保護者の方が、休日・夜間に対処に困った時に小児科医師・看護師に相談できる
参考:「子どもによる医薬品誤飲事故の防止対策について」厚生労働省
「こども医療電話相談事業(#8000)について」厚生労働省ホームページ
「子どもによる医薬品誤飲防止に関する意見書」日本製薬団体連合会